古版木摺り 奈良屋記念杉本家保存会所蔵 木版画摺り

目次

保存状態のよい京呉服商「奈良屋」の商いを知る貴重な版木

京都市中心部に残る伝統的な京町家建築で国の重要文化財に指定されている「杉本家」が所蔵する古版木摺りをご依頼いただきました。

「杉本家住宅」は、一度は大火事により焼失したものの、明治3年(1870)に再建された江戸以来の大店の構えと表屋造りの大規模な大店の京町家。令和3年(2021)、築約150年が経過し傷んだ大屋根の葺き替えなど大規模修理のため、クラウドファンディングで工事費の一部費用を募られました。

今回ご依頼いただいた古版木は、杉本家が京呉服商「奈良屋」を営んでいた当時に使われていた商標「まる京」や引き札(チラシ広告)の版。クラウドファンディングの返礼品として、木版摺りの絵はがきやブックカバー、唐紙など和紙アイテムの制作をご依頼いただきました。

商家の歴史を伝える版木を用いた木版手摺りアイテムの返礼品

大切に保管されていた版木
杉本家が京呉服商だった当時に使用していた商標「まる京」の版木

木版摺りアイテム1
人間国宝 九代岩野市兵衛作の生漉き越前奉書紙を用い、白地雲母(キラ)刷き胡粉摺りの京唐紙

木版摺りアイテム2
商標「まる京」のコマ版木を組み合わせレイアウトした木版手摺りブックカバー

木版摺りアイテム3
商標「まる京」のコマ版木を組み合わせレイアウトした木版手摺りはがき

©︎奈良屋記念杉本家保存会(版木・木版画)

概要

内容奈良屋記念杉本家保存会所蔵  古版木摺り・木版手摺りアイテム
作者不明
原本制作時期不明
サイズタテ約30cm×ヨコ約48cm(「まる京」版木)
作業内容山桜板 単色摺
制作期間約4か月(提案・試作から納品まで)

奈良屋記念杉本家保存会

杉本家は、もとは「奈良屋」(1743年創業)という屋号を持つ京呉服商。「杉本家住宅」は、四条烏丸の南西綾小路通りに面し、間口約30m、奥行き約50mの大規模京町家。当時の暮らしを現代に伝える貴重な建物として、平成22年(2010)、国の重要文化財に指定。公益財団法人 奈良屋記念杉本家保存会は、重要文化財「杉本家住宅」と名勝「杉本氏庭園」を継承・保存している。また、杉本家が代々受け継いできた伝統的な京都町衆のくらし・ならわしといった無形の文化を伝える活動も行っている。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

SNSでシェア
目次
閉じる