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長年に渡り授与され続けてきた御札の古版木
山形県川西町にある新義真言宗 松光山 大光院より古版木の修復をご依頼いただきました。
お預かりした版木は、両面に彫りが施されており、長年の使用による墨の固着が版木全体を覆う状態でした。そこで、彫師による版木の状態チェックののち、版木を傷めないよう時間をかけて墨や汚れを落とす除去作業を行いました。「護符」は、墨の固着が著しくカラス文字の形も判明しづらい状態だっため、特に時間をかけた慎重な作業を必要としました。丁寧な除去により、力強い護符が蘇りました。
古版木修復 作業過程
版木「大黒天札」
版木修復前
長年の使用により、お姿の輪郭線の周りや内に墨が固着。また、表情や着衣などの文様も判明しづらい
版木修復完了
輪郭線をくっきりと整え、細かな線の間に固着した墨も丁寧に除去を行なった
版木「護符」
版木修復前
版木全体に墨が固着し、カラス文字や中央の文字が判明しづらいくらいに墨が詰まっている
版木修復完了
削り過ぎないように注意しながら、輪郭線をくっきりと彫り整え、固着した墨も丁寧に除去
修復後の試し摺り
大黒天札
朗らかなお顔とふくよかなお姿が鮮明に
護符
烏の象形や中央にある文字がくっきりと蘇る
概要
内容 | 松光山 大光院(新義真言宗)ご依頼 「大黒天札・護符」版木修復 |
作者 | 不明 |
制作時期 | 不明 |
サイズ | おおよそ26cm×33cm×厚み3.0cm |
作業内容 | 山桜板 単色墨摺両面 1枚: 洗浄・固着融解 / 試し摺り/奉納摺り |
修復期間 | およそ2ヶ月(調査・修復・手摺り) |