版木修復 普明寺 「御本尊の御影」木版画

目次

地域の人々に開かれたお寺で授与され続ける御札の古版木

東京都昭島市にある普明寺につたわる古版木の修復をご依頼いただきました。

普明寺は、天台宗の寺院、天正元年(1573年)に創建された大日堂の別当寺。境内は、大日堂を中心とした典型的な天台宗の寺域を構成し、東京都史跡に指定されています。

今回お送りいただいた版木は、長年の使用による墨の固着が著しく、版木によっては表面の摩耗も見受けられ、調査摺りを行うと細かい部分が潰れてしまっている状態でした。そこで、彫師による版木の状態チェックののち、時間をかけ版木を傷めないよう慎重に墨や汚れを落とす除去作業に着手しました。
「金剛力士像」は、版木全体を覆うように墨が固まり文字も判明しずらい状態だっため、特に慎重な作業を必要としましたが、独自の修復技術による丁寧な除去により、強弱のある流れるような線で描かれた筋骨隆々なお姿と文字が蘇りました。

古版木修復 作業過程

版木「三如来像(大日如来、釈迦、阿弥陀如来)」

版木修復前

長年の使用により、お姿の輪郭線の中に墨が詰まっている。また、周りにも墨が固着ししている

版木修復完了

削り過ぎないように注意しながら、輪郭線をくっきりと彫り整え、周りに固着した墨も丁寧に除去

修復前の調査摺り

全体的に細かい部分が潰れており、お姿も不鮮明な様子

修復後の試し摺り

細部まで版木の彫りを浮き立たせるように仕上げる。優しい表情も鮮明に蘇る

版木「金剛力士像」

版木修復前

長年の使用により版木全体に墨が固着し、お姿や文字の輪郭線の中に墨が詰まっている

版木修復完了

削り過ぎないように注意しながら、輪郭線をくっきりと彫り整え、周りに固着した墨も丁寧に除去

修復前の調査摺り

全体的に細かい部分が潰れており、お姿も不鮮明な様子

修復後の試し摺り

阿形(あぎょう)、吽形(うんぎょう)のお姿や文字が鮮明に。強弱ある線表現も蘇る

概要

内容普明寺所蔵「御本尊の御影」版木修復
作者不明
制作時期不明
サイズ最小タテ15cm×ヨコ9cm×厚み2.0cm〜最大タテ30.5cm×ヨコ17cm×厚み1.8cm
作業内容山桜板 単色墨摺1版 5枚: 洗浄・固着融解 / 骨線直し / 試し摺り
修復期間およそ1ヶ月(調査・修復・手摺り)

普明寺

東京都昭島市にある天台宗の寺院。山号は拝嶋山、御本尊は大日如来。天正元年(1573年)創建、もとは大日堂の別当寺として建立された。現在も、大日堂を中心に普明寺、本覚院(拝島大師)、円福寺、日吉神社を含む拝島山の寺域は都指定の史跡として親しまれている。

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