古版木修復・摺り・仕立て 榛名神社所蔵 「御神影」木版画

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御祭神が祀られた神聖な巨石御姿岩を描いた大判の版木

群馬県高崎市にある榛名神社につたわる御神影の版木の修復・摺り、軸装をご依頼いただきました。

榛名神社は、586年の創建と伝えられ、延喜式神名帳に名を残す由緒ある古社。上毛三山の一つ、榛名山の中腹に位置し、深い森と巨石・奇石に囲まれた森厳な境内にある御祭神は、社殿の後ろにそびえる御姿岩の洞窟の中に祀られています。

今回、摺りをご依頼いただいた版木は、神聖な御姿岩の岩肌や木々、全体的に墨の固着がみられ不鮮明な状態でしたが、経験を積んだ彫師によって版木を傷めないよう慎重に墨や汚れを落とす除去作業が行われました。また、軸装仕立てについてもご依頼いただき、当工房と連携している神仏画の表装に詳しい「京表具」の表具師が丁寧な仕上げの掛け軸を製作しました。

日常に伝統工芸が息づく街「京都」、工芸技術のつながり

「京版画」摺師による摺り作業

大きな版木は、乾かないよう手早く満遍に墨をつけ、丁寧に摺る

表装仕立て「掛け軸」

京都の伝統工芸「京表具」の表具師をご紹介。ご希望に沿う様式の仕立てをご提案する

概要

内容榛名神社所蔵 「御神影」版木 修復・摺り・表装仕立て
作者不明
原本制作時期不明
サイズタテ約79cm×ヨコ約54cm(木版摺り紙サイズ)
作業内容山桜板 単色墨摺1版1枚/版木墨除去・摺り、掛け軸加工(外部製作)
制作期間約5ヶ月

榛名神社

群馬県高崎市榛名山町に鎮座する神社。主祭神は、鎮火開運の神 火産霊神(ほむすびのかみ)、五穀豊穣の神 埴山毘売神(はにやまひめ)、創祀は用明天皇丙午元年(586年)。江戸時代までは上野寛永寺に属す神仏習合の満行宮榛名寺と称していたが、明治初年の神仏分離により榛名神社として独立した。国の重要文化財「社殿(本社・弊殿・拝殿)」をはじめとする6棟の建物や県の無形民俗文化財「神代神楽」など多くの貴重な文化財を有している。

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